【コラム】意外と知らない?照明が与える生産性への影響

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2012年に安倍政権が成立して以降、日本経済の生産性向上が課題として取り上げられるようになりました。生産性向上は、安倍政権が進める経済戦略である「未来投資戦略」の最重点課題でもあります。

2017年に策定された「未来投資戦略」(18年に改定)では、「労働生産性の向上は、日本経済の成長だけではなく、個々人にとっても自由な時間を提供する」ことになると掲げています。19年に「働き方改革関連法」が施行されて以降、その重要性は全企業の課題ともなっています。

日本の中小零細企業は、生産性が低いことで知られていますので、とくに重要な問題です。従来の日本企業は、高度経済成長期やバブル期でさえ、「ただ働き残業」に典型的に示されるように、生産性の低さを長時間労働で補ってきた事実があります。この風習を続けることは、従業員の健康上も、国際的常識に鑑みても許されず、改めることが求められています。

オフィスの明るさと生産性の関係
近年、注目されているのが、オフィスの明るさと生産性の関係です。「科学的管理法の父」といわれる米国のフレデリック・テイラー氏(1856-1915年、自動車会社フォードが採用した「テイラー・システム」で知られます)は、初めて、明るさと生産性の関係を示しました。この実験は、米国シカゴ郊外の工場で実験が行われたことから、工場の名を取って「ホーソン実験」と呼ばれています。

テイラー氏は生産現場を綿密に観察し、気温などの天候、賃金水準、人間関係などと効率性の関係を導き出しました。その項目の一つが、作業空間の「明るさ」です。明るさと生産性の間に関連性があるというのは、当然のことです。暗くて手元がよく見えなければ、仕事がはかどるはずがないのは、当然のことですね。

ちなみにホーソン実験では、照明での効果を応用して、社員のモチベーションを上げるために、人間の社会的欲求や尊厳欲求を刺激する効果も実証されています。

「クルイトフのカーブ」
さらに、オランダの物理学者であるクルイトフ・ユトレヒト大学教授(1909-1993年)が「クルイトフのカーブ」(クルイトフの快適カーブ)を提唱しました。これはデータを元にグラフ化したもので、「人間が快適だと感じる明るさ」と「不快だと感じる明るさ」を、色温度をx軸、照度をy軸としたものです。

この研究結果によると、人間が快適に働ける照度は750lx(ルクス)前後ということになっています。この明るさは、昼間の屋外とほぼ同じです。人間という生物が、太古の昔から活動(労働)してきた環境であり、ある意味、理にかなっています。必然的にオフィスの照明は明るいものになり、実際に多くのオフィスの照明は明るくされています。

わが国でも、ニューオフィス推進委員会(現・ニューオフィス推進協会)が1994年、「新しい時代のオフィスで最低限満たすべき項目」を示しました。ここでは、オフィスの机上照度の基準を750lxとしています。

なお、労働安全衛生法では、精密な作業では手元の照度を300lx以上、普通の作業では150lx以上、粗な作業では70lx以上と定めています。

環境の変化で変わる
ところが最近、「クルイトフのカーブ」を否定する見解が増えてきました。これは、「クルイトフのカーブ」の正誤というよりも、1990年代以降の労働環境の変化が大きな意味をなしています。

オフィスにパソコンが普及したことで、作業はより凝縮されたものとなりましたし、従業員はスマートフォン(スマホ)と併せ、一日中、明るい液晶画面を見続けるようになりました。とくに、明るい部屋でパソコンを使用していると、画面に照明器具が映り込んでしまい、作業が妨げられます。販売される製品も、工業生産物以外のものが増加しています。これによって、750lxという「最適照度」の見直しが迫られるようになったわけです。

調査機関やメーカーによる研究の結果、確かに管理職では「クルイトフのカーブ」と同様、750lx前後の明るさを好む傾向が見られました。一方、デザイナーなどクリエイティブな業務を行う人びとは、より暗い400lx前後を好むことが分かってきました。

また、明るさに対する快適な感情と、実際の生産性の関係にも、疑問が呈されています。「明るさが快適だからといって、生産性が上がるとは限らない」ということです。たとえば、タイピングなど単純な業務においては、明るさは作業効率にさほど影響を与えない一方、クリエイティブな業務は影響を受けるようです。

ある企業が、昼間に「従来照明(750lx)」「節電照明(400lx)」「調光・調色 照明」で実験を行った結果、「節電照明」では覚醒度とパフォーマンスが低下し、夜間の体温も十分低下しませんでした。一方、「調光・調色 照明」では、「従来照明」と同程度の覚醒度、パフォーマンスが維持され、また、夜間の体温の低下とホルモン(メラトニン)の分泌量が多かったそうです。

また、人は一般的に、暗い環境では眠気が強まる一方で、リラックスできて疲労を感じにくいという調査結果もあります。人間は複雑な生き物ですから、明るさだけを判断基準にすること自身が、無理があることなのかもしれません。

結局、人によって好みの明るさは異なるということになります。その「好み」に合わせることが、生産性を考える上で最適だと考えられるようになってきました。

タスク・アンビエント照明方式
そこで急速に普及しているのが、環境(アンビエント)と作業(タスク)によって照明を分けて考える「タスク・アンビエント照明方式」です。この方式は、すでにヨーロッパでは主流になっています。

この方式では、オフィス全体を照らす天井照明を適度に弱めます。たとえば、従来750lxでオフィス全体を照らしていた照明を、300lx程度に下げます。この際、天井照明は、オフィス全体の雰囲気に関わるので、暖かい色合いの照明を選びましょう。

さらに、机を照らす照明を別途設置します。これは、個々の従業員の「見やすさ」を重視した白い照明にしましょう(この照明は750lx前後で問題ありません)。照明器具は、広角配光を持ったアーム式器具が適しています。アーム式器具は、アームを操作することで光の高さや角度を調整できるからです。たとえば、パソコンを操作する時と書類に記入する時で、照明の角度を変えられると便利です。

タスク・アンビエント照明方式では、照明自身の切り替えも比較的簡単にできます。社員の状況に合わせた照明選びができ、照明使用のタイミングもフレキシブルにできます。LED照明なら、照度の変更も容易です。

この照明方式を採用すれば、広いフロアに少ない従業員しかいない場合に電力消費量の削減を図ることができます。また、気付きにくい点ですが、天井照明が発する熱を減らすことができるので、夏季における冷房効率の向上にもつながります。

さらに、社員一人ひとりが自分の机の照明をこまめに切ることで、省エネ、エコに貢献できます。これは、社員にコスト意識を浸透させる点でも有効な方法だということができます。ある企業では、タスク・アンビエント照明方式を採用することで、消費電力を3割、冷房用電力に限っても約15%低減させています。

LED照明の有効性
以上を考えると、LED(発光ダイオード)照明は有効性が高いといえます。もともと、LEDは節電(白熱電球の約5分の1〜6分の1)や寿命(約10年使用可能)で優位性が高い照明ですが、照度を変更する製品があるという利点もあります。

従業員一人ひとりが自分に応じた明るさで仕事ができるわけで、ひいては、生産性向上につながります。先のホーソン実験によると、明るさの違いによって、生産性は3割も異なるそうです。経営者にとっては、決して軽視できないものだということは明らかでしょう。

LED照明は初期導入の経費が高く、熱に弱く、光の放射が均一でないのが難点ですが、すでに見たように、長期的にはメリットがあります。また、水銀や鉛を含まないため、環境にもやさしい製品です。各メーカーは、今年中に従来型電球の生産を終了させる計画ですので、この機会にLED照明の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

別記事「LED照明を導入する」もぜひお読みいただけると幸いです。

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