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照明に LED（発光ダイオード）電球を導入している事務所は多いと思います。

LED の利点は、従来の白熱電球に比べて長持ちする上に、消費電力を大きく削減できることです。しかも、従来の電球と同じ口金に装着できるので、ほとんどの場合、特別な工事は必要ありません。

現在、日本政府と大手メーカーは、出荷ベースで2020年まで、設置ベースで2030年までに、LED を中心とする次世代照明に交換する方針を掲げています。すでに、多くのメーカーが蛍光灯器具の生産を終了させています。

LED 電球は、依然として蛍光灯よりも割高ではありますが、それでも価格はかなり下がってきています。まだ採用していない事務所の皆さんも、早期導入が望ましいといえます。

安定器の工事
LED に切り替える際には、安定器の工事（バイパス工事）が必要となる場合があります。

蛍光灯のような放電式光源は、電源とランプの間に抵抗（安定器）を入れ、電流を安定させています。LED では安定器が必要ないので、バイパス工事が必要になるわけです。

他方、「工事不要」をうたった LED 機器もあります。これなら工事費用を削減できますし、何かの際に、蛍光灯に戻すことも可能です。

しかしながら、バイパス工事を行っていない器具は、安定器のための余分な電気を消費してしまうため、LED の低コストのメリットを完全には享受できません。安定器はいずれ故障しますので、その際には、コストが発生します。

しかも、安定器にはさまざまな種類があるので、誤った「工事不要」LED 照明を使うと、事故につながりかねません。

LED 照明導入の際には、安定器の問題を忘れないようにしたいものです。

LED が使えないこともある
寿命も長く電気代が安くなる LED ですが、利用できない場合もあります。

というのは、LED は半導体を材料としているため、熱に弱いのです。半導体を多く搭載しているパソコンには、加熱を防ぐために、冷却用のファンかヒートシンクが付けられていることを想起してください。

このため、LEDは、電球を包み込むような形状をしている照明器具には向いていません。たとえば、玄関灯やバスルームは水にさらされるため、必ず、プラスチック製のカバーに覆われています。天井のくぼみに装着するような電球も、同様です。このような器具に LED を取り付けると、故障したり、寿命が短くなる可能性が高まります。

また、光の明るさを調節できる調光機能付きの照明器具には、対応していないことがあります。調光機能付きの照明器具には、このような器具に対応した LED 電球を付けなければなりません。

LED 電球の選び方
まず、明るさの表記についてです。蛍光ランプでは「25W形」など「ワット」（W）で表記されていますが、LED での表記は「ルーメン」（lm）となります。

売られているLED 製品には「○○W相当」などの表記がある場合もありますが、これは各企業によって異なる基準に基づいていますので、信用できないこともあります。この点では、日本電球工業会が光量の目安を公表していますので、参考にして下さい。

もう一つ、光色にも注意したいところです。事務所は通常の昼白色がふさわしいでしょうが、休憩室やトイレに使うにはやや緊張感が強すぎます。このような場所では、より黄色に近い光色のものを選び、従業員がリラックスできるようにしたいものです。

また、LED 電球は下方向に光が広がる性質があります。廊下、洗面所のダウンライトではこの性質を生かした製品がふさわしいのですが、事務所では全方向に近い光の広がり方をする製品を選びましょう。

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