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オフィスの空気環境
オフィスの空気環境について、国の「規則」ではどうなっているでしょうか。
「規則」では、炭酸ガス0.5%以下、一酸化炭素50ppm以下と定められています。空調設備がある場合は、基準が変わり、炭酸ガス0.1%以下、一酸化炭素10ppm以下、粉じん0.15mg/立方平米以下を維持することが決められています。
喫煙対策も重要です。かつては、タバコの煙がもうもうと立ち上るオフィスは珍しくありませんでしたが、厚生労働省は飲食店を中心にガイドラインを強化しています。受動喫煙に対する社会の目も厳しくなっていますので、分煙対策をしっかりと進めることが重要です。
このほか、「規則」では、照明の明るさも300〜700ルクスが望ましいとされています。明るいというだけでなく、太陽光に近い色であること、まぶしくないことなどが必要です。
パソコン、プリンタ、コピー機、シュレッダーなどのオフィス機器の騒音を抑えることも大事です。ノイズが大きかったり、振動で仕事に影響が出かねない場合は、部屋を分けたり、パーティションなどで音を遮ることが求められます。
このほか、オフィス環境が維持されているかどうか、定期的なチェックが欠かせません。
こういった基準が設けられているのは、社員の健康と安全を守るためであり、それを通じて快適なオフィス環境を実現し、生産性を向上させることです。安全衛生づくりは「コスト」ではありますが、以上のような目的を達成するために「不可欠なコスト」と考えなければならないことになります。
労働安全衛生法による規定
企業の労働安全を保証する法律は、労働安全衛生法です。この法律は、業種を問わず、常時50人以上の従業員(非正規社員を含む)を使用している事業場で、衛生管理者を配置することを義務づけるものです。
従業員が200人以上500人未満では2人以上、500人以上1,000人未満の事業所では3人以上、設置しなければなりません。また、衛生管理者は、担当事業場の専属でなければならず、他の支店や営業所との兼任は不可とされています。
衛生管理者は国家資格で、第1種、第2種があります。管理者は、週1回以上は事業所を巡回し、従業医に安全衛生教育を行ったり、健康診断などの立案を行います。また、ケガや疾病、死亡事故などの防止に努め、統計をとるなどさまざまな業務を行います。
近年では、従業員のメンタルヘルスへの問題も重要課題になっています。管理者はこの状態を把握し、就業制限や配置替えなどを提案することもあります。ただ、近年では、衛生管理者の資格所有者が不足しており、設置する義務を果たせていない企業もあります。
従業員の新型コロナウイルスへの感染が確認された場合は、どうでしょうか。患者に対する就業制限・入院は、都道府県知事によって行われます。使用者(経営者)は、これに従う必要があります。よって、衛生管理者が就業禁止の措置をとる義務の範囲ではありません。
第2に、労働安全衛生法に基づいて1年以内ごとに行わなければならない従業員への健康診断を、感染拡大防止のために延期することは可能です。これは、政府が2月25日に決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」で定められています。延期手続きの期限は6月末までです。延期された健康診断は、実施機関において10月末までに実施することとされています。
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