オフィスの浸水を防ぐためのリフォーム工事とは
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この夏は、全国で豪雨による被害が相次ぎました。オフィスの事業継続のためには、豪雨や河川の氾濫による浸水を防ぐための備えが求められます。リフォーム計画があるなら、可能な手立てをとることを検討してはいかがでしょうか。
オフィスの浸水対策は、3つの層で考えましょう。
・水の侵入を防ぐ(止水)
・浸水しても被害を抑える(減災)
・早く復旧する(BCP) です。
リフォームで恒久的にできることと、工事後も運用で備えるべきことに分けて準備します。
リフォーム工事で可能な対策
①水の侵入を防ぐ(止水)
・止水板・防水板の設置:レールを埋め込んだ止水板を設置します。警報時、レールに板をはめ込む方式が一般的です。跳ね上げ式や自動起立式(水圧・浮力で立ち上がる)もあります。
・段差・かさ上げ:出入口の敷居を上げる、スロープ形状を変えるなどで、水が流れ込む高さを稼ぎます。バリアフリーやテナント動線との兼ね合いが必要です。
・防水扉・水密扉への交換:出入口を水密性のある扉に交換します。コストは高いものの、浸水想定が深い場合は有効です。
・窓・換気口・ダクト開口部の対策:低位置の窓に止水パネルを付ける、換気口を高所に移設する、防水カバーを付けるなどです。これらは、意外と水が入りやすい箇所です。
・外壁・基礎の防水処理:壁面の浸水防止塗装、防水シート、貫通部(配管・配線)のシーリング強化。
・排水設備の強化:排水ポンプの増設、非常用電源付きポンプ、逆流防止弁の設置。下水の逆流は水位が低くても起きるため忘れずに。
②水が入っても被害を抑える(減災)
・電気設備の高所移設:分電盤、配電盤、コンセント、ブレーカー、通信機器(ルーター・ハブ)を想定浸水深より上に移設します。費用対効果が最も高い工事です。
・コンセント・配線の高位置化:床上1m以上、またはハザードマップの想定浸水深に余裕を持たせた高さを目安にします。
・床・壁・内装材の耐水化:塩ビ床、タイル、耐水性ボード、防カビ・防水性の高い断熱材などに変更します。
・室外機・受水槽・設備機器のかさ上げ:屋上や上層階への移設、架台でかさ上げします。
・重要文書・サーバーの上階移設:変更できるなら、重要機能を2階以上へ集約します。
・床下・天井裏の点検口の確保:排水・乾燥作業を行いやすくします。
③地下・低層階を使う場合の追加対策
・地下階への階段・ドライエリアへの流入防止の立ち上がり壁
・地下駐車場等からの水の流入経路のしゃ断(止水板、防水シャッターなど)
リフォームの前に確認すべきこと
①ハザードマップで想定浸水深を確認:自治体のハザードマップで、オフィスの想定浸水深・浸水継続時間を調べます。対策の高さと規模はここで決まります。
②建物の種類と権限:賃貸の場合は、貸主の承諾と、共用部・外壁・設備に触れてよいかの確認が必要です。区分所有ビルでは管理組合の承認が要る場合があります。
③法規・申請:建築基準法、消防法、バリアフリー法との関係(出入口の段差、避難経路の確保)に注意。止水板が避難の妨げにならないかも重要です。
④助成・補助金:自治体によっては、止水板設置や浸水対策への補助制度があります。事前に確認しましょう。
リフォームした上で備えるべきこと
①運用ルール・BCP
・止水板の設置手順と担当者の明確化:誰が、いつ、どの基準で設置するか。夜間・休日に誰が動くかも決めておきます。
・訓練の実施:年1回程度の設置訓練が望ましいでしょう。
・出社・在宅・退避の判断基準:従業員の安全確保が最優先です。「止水板を設置するため」に危険にさらされないよう、退避のタイムリミットを決めます。
・事業継続計画(BCP)の策定:重要業務の特定、代替拠点、リモート体制、復旧優先順位。
②データ・情報資産
・バックアップの多重化:クラウドなどへのバックアップ。
・紙の重要書類の電子化・高所保管:契約書、登記関連、図面などの電子化。
・機器の電源・通信の冗長化:UPS(無停電電源装置)、モバイル回線のバックアップなど。
③物資・備蓄
・土のう・吸水シート・排水ポンプ(可搬型)・ゴム長靴・懐中電灯・ブルーシート
・従業員向けの水・食料・簡易トイレ(帰宅困難になる場合に備えて)
・清掃・乾燥用のサーキュレーター、除湿機
④保険・情報収集
・水災補償の確認:火災保険は、水災が補償対象に含まれているか、免責・支払い条件が合っているかを確認。営業休止損害(利益保険)も検討対象です。
・気象・河川情報の取得手段:気象庁の防災情報、自治体の防災メール、河川水位のライブカメラ等をチェックする担当を決めておきます。
⑤復旧体制
・被災後に連絡する業者(水害対応・乾燥・電気工事)を事前にリスト化
・被災前の状態の写真記録(保険請求用)
まとめ:優先順位の目安
・ハザードマップ確認と想定浸水深の把握
・電気・通信設備の高所移設
・逆流防止弁・排水ポンプの整備
・出入口の止水板
・内装の耐水化
・運用ルール・訓練・BCP・保険の見直し
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